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「そうか……。まあ、理解できなくともかまわない。ボクが──この世に1人は、牛乳工場の真意を見抜き、悪を暴いた者がいるのだから……。
きっとそれは、人類にとって大きな宝となる。だれが知らなくともかまわない。他ならぬキミが、ここに名探偵・市橋 秀人が存在していたというコトを知ってさえすれば……」
「はあ……」
女の子はもう聞き流し気味に、市橋くんから視線をそらした。
気分よく世界にひたっていた市橋くんは、彼女のほうを見て絶句した。
なんと……、なんと彼女の手のひらには、牛乳が握られて……! 握られている!?
そんなバカなっ!
先ほどあれだけ注意してやったはずなのに!
市橋くんは困惑した。
いったい何故……?
何故、彼女は自ら死にに行くような道を選んだというのだろう。
考えた結果、市橋くんはある結論に突き当たった。
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