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彼らは、そんな高度な技を知らない!
持ち合わせていない!
つまりキミが今この場で、ボクの持論をくつがえすのはムリという話なんだよ、ハーハッハッ!
さあ飲め!
飲んでこう言え!
「申し訳ありません、秀人さま。わたくしが間違っておりました。牛乳はビンで飲むと、鼻の下が白くなります。お許しくださいませ」
これ以上ないくらい邪悪な笑顔をつくり、市橋くんは今にも牛乳を口にしようとする女の子を見つめた。
女の子の唇と牛乳ビンの入り口が触れる。
ドッドッ……。
ドッドッ……。
言いようのない高ぶりに、動機が跳ね上がった。
女の子の白い喉が動く。
ゴクゴクという小気味よい音を奏でながら、牛乳は彼女の喉を通り過ぎていった。
「…………っ…」
飲み会の一気飲みさながらに、いい飲みっぷりで牛乳を飲み切った女の子は、この後、自らの手で市橋くんを奈落の底に突き落とすことを知らない。
というか、知ったこっちゃない。
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