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「な゙っ……!」
なぁにぃい━━━━!?
本日1番の驚きと衝撃が、市橋くんを包んでいた。
女の子がとった行動──。
それは、至極あたり前のものであった。
ふところから取り出したハンカチを、牛乳で白くなった部分に当てる。
だれかに見られる前に素早く拭いとり、証拠を湮滅する。
あとに残るのは、空の牛乳ビンと、やり遂げたという満足感だけだ。
「まさかっ……まさか、そんな方法があったなんて……」
青い顔をして、市橋くんは椅子から立ち上がった。
負けた。
負けてしまった。
普通の人間なら、簡単に思いつくであろう方法──。
市橋くんには思いつかなかた。
それはつまり、彼が普通ではないことを物語っている。
「?」
女の子は、これまた不思議そうに市橋くんを見上げた。
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