君と歩く道

8/8

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
何も言えずに 聞いていた俺は千穂に   「ごめん千穂 千穂には悪いけど俺はやっぱり さゆりの事が好きだ」   「俺のこと殴っても 蹴っても 好きなようにしていいから 俺と別れてくれ」   そういって床に座って 土下座した   「ほんとにごめん お願いします」   「…わかった でもこのままじゃ私の気持ちが おさまらない 一発ぶん殴るから 顔をあげて歯をくいしばってよ」   「うん」 俺は言われるままに 目を閉じて歯をくいしばった   「じゃいくわよ~」   俺は覚悟を決めて待っていた   千穂は軽く頬をポンポンと叩いて 両こぶしで俺の頬をグリグリと 押しつぶようにしながら   「こんな事で友達を 止めるなんて言ったら その時はハンマーで 殴り飛ばすからね わかった?」   と涙ぐんでいたけど 笑いながら言ってくれた   俺は千穂の悲しくて 複雑な気持ちを感じながら 「千穂 ほんとにごめん そしてありがとう」   「お礼なら リクとさゆりに言ったら 私もなんとなくだけど こうなる予感はしてたんだ」   と千穂は悔しさを押し込めて そう言ってくれた   「リク さゆり二人にも 嫌な思いさせて ほんとにごめん」   しばらくして千穂が 「リク二人だけにしてあげよう 私たちは別のとこに行こうよ レン さゆりのことよろしくね」   そういって千穂とリクは どこかに行ってしまった   さゆりと二人になり 黙って顔を見合わせた   「バカッ迎えに来るの 遅かったじゃん」   「うん だいぶ遠回りしちゃったな 遅くなってごめん これからずっと 二人で歩いていこうね」   「うん これから私だけを愛していってね」   「もう二度と離さないからな」   そう言ってさゆりをギュッと 抱き締めながら 優しくキスをした
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加