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こと
テーブルに缶ジュースを置く
水滴が表面に群れをなしてる
――どうしよう
少年の背中に滲む汗
少年は茶色の髪をしきりに触る。
「なに?なしたの?あつい?」
苛立った様子で部屋の対角に座る少女が少年をにらむ
「ごめん、急に来て」
少年の心臓はバクバクと高ぶる
「別にいいけどさ…普通にしろや」
少女は乱暴に言い放つ
制服のチェックのスカートを短く切り、スカートの下には学校の指定ハーフパンツ、今となってはなかなかいないルーズソックス。
髪は金髪に脱色され、両サイドで結ぶ少女は活発な印象を与える。
「今野ってさ、背、小さいよね」
少年は言うと同時に缶ジュースを飲み干した
「はぁ!?意味わかんねー!てかムカつくんすけど!!」
今野と呼ばれた少女は床をドンと叩いた。
少し笑いながら。
――今野、大好きだ
少年は今野の笑顔を近くで見れるだけで
心が満たされる。
最高の至福の瞬間
ただあなたの笑顔を見ていたかった
高柳 隆好
彼は自分の何に代えても
今野 真衣 を守りたかった
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