自我と性のまどろみ

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夏休み前に最初の席替え。 ぼくはとにかく佐多から遠い席を祈った ガタガタと机をみんな引きずり、新たな隣人や前後斜めのまだ未知のクラスメートたちとワイワイ騒ぎ始める中、 ぼくはただ黙って新たな席についた 「…オマエ、高…柳…だっけ??暗いっ!!オマエ超ぉ暗いっ」 隣で高い声でぼくに喚き散らす小さくて健康的に日焼けした女の子 今野との初対面 いや、正確にはぼくが興味を抱いていなかっただけで、知らなかったわけではない。 「暗い?ごめん。」 ぼくは顔も見ずにうつむき呟く 今野がぼくの机まで身を乗り出し、満面の笑みで顔を覗きこむ 「よろしくな!!暗い顔すんなやっ。あたしの横になっちゃったのが運のツキだと思って、笑え笑え!!」 今野がぼくの襟元をグイグイ引っ張りながら、揺さぶる。 今思えば、この時もう今野真衣に心奪われていた。
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