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それを拾って、見つめ…私は――我慢していた“わたし”になる。
封印していた、“わたし”
茜「…愛莉……、帰ってきなよ…」
それを見つめながら私は一人呟く。
もちろん私が口にした月野 愛莉【つきの あいり】がここに帰ってくるわけがない。
私はただ静かに泣くしかなかった。
愛莉が消えて約1年がたった。
愛莉がいなくなった原因は『自殺』
この時期は『自殺』する人が多く…ニュースや新聞で話題にもなった。
溢れかえる新聞記者
報道人
もう、思い出したくない。
だけど忘れることは許されない事実。
だから私は涙をふき、それをポケットにしまい…“わたし”もまた封印する。
それしか、笑うことが出来ないから。
茜「よっし♪家にかえろぉ!」
気楽に考え、明るく生きて――“わたし”じゃない“私”をみせる。
全部はあの子がいなくなってから狂ってしまった。
もう…今の私にはわかんないけど、封印した“わたし”はずっと罪悪感や責任感を残したままだった。
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