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――私はいったい…誰なの?
彼女は一人考える。
現在…病院で入院しているときの格好をし、腕には点滴を抜いた痕が残されている。
しかも、さっきまで血が流れた跡も。
どうしてかはわからないけど、私はここに訪れた。
ここに来なくてはいけない気が――なんて言っても誰もわからない。
綺麗な川がゆっくりと流れていくのが目に写る。それと共に、風で自分の茶色い髪が揺れる。
ここはとても安らげる場所。
でも私はなぜここに来た?
ここで…何かあったの?
『……ホラ、星が綺麗だろっ♪』
明るい…男の声を不意に聞いた。
――空耳…?
この声は、いったい…誰だろう。
この声を聞くと私は…何故かすごく泣きたくなる。
胸が締め付けられ――すぐにでも涙が溢れてしまいそうになる。
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