☆物語☆

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『オレ、あんま星に詳しくないけど…あれがオリオン座ってことはわかるっ! …本当に綺麗だよなぁ』 私はつられるように、空を見上げた。 今は…昼間。 雲ひとつない晴天の青空――なのに、私は星空を見上げてる気分になる。 これが…私の記憶の断片。 “消したい”のに…“消せない”過去。 “思い出したい”のに…“思い出すことができない”記憶。 ただ虚ろな幻景を見て私は軽く…微笑するしかない。 「あなたは…誰なの?」 空に手を伸ばしても届かなくて。 「私は…誰なの…」 その手を引っ込めるしかなかった。 どうしてこんなことになったのだろう。 …確か、咲夜さんが言ってた。 今、私は高校1年生。 彼女はこの間、丁寧に…そして簡潔に今の状況を教えてくれた。 それは“私”の物語。 地面においてあった、赤い本を手にし、ページをめくる。 そして私は…。
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