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茜「……うゅ♪眠いのぉっ。…ボーッとしちゃったやんかぁ」
私は愛想笑いをして、何とか自分の気持ちにキリをつける。
駄目だよ…。
私はバカで明るくしないと。
じゃなきゃ、私じゃなくなっちゃいそうで…怖いから。
茜「終わったんなら帰るわぁ♪…はぁ~っ…眠かった…」
私は目をこすり、その場から立ち上がる。そして隣にあった鞄を手にして「あと任せた☆」とだけ言い捨て、教室を出た。
誰もいない廊下、階段、玄関を一人で通って外に出た。
辺りはもうオレンジ色に染まっている。
うん、綺麗な夕日だ。
私はテンションを高くしながら一人でその道を帰っていく。
その音を聞くまでは…。
カランッ…
小さな物が落ちた音がして、私は振り返る。
それは――今は誰も知らない方がいい。
だけど私は知っている。
毎日持ち歩いてる…大切なもの。
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