1766人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕が聞きたいのは、君の気持ちだ。君は本当に啓太が好きでつきあってるのか?」
私の気持ち?
私はすぐ頷くことができずに逡巡した。
「壮一郎さんがなぜそんなことを聞くんですか?」
「すぐに好きだと言えないのが答えか。」
「…………好きですよ、啓太くんのこと。」
私は少し視線を落として言った。
「本気で?」
「…それは…まだ付き合い始めだし…。」
視線を合わせているわけでもないのに、壮一郎さんの目がじっと私を探るように見ているのがわかった。
私は壮一郎さんの目が怖かった。
壮一郎さんの目は私自身がわからない心の奥まで見通してるみたいだから。
最初のコメントを投稿しよう!