彼氏の兄

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「名前のこと以外に言うことは?」 「え?すいません、びっくりして聞き逃しました。何だったんですか?」 壮一郎さんは、片側だけ口角をあげて意味深に笑うと、ふいに私の顔の横に手を伸ばした。 なに!? なぜか、それが怖くて目をギュッと閉じていると、スッと本を引き抜く音がして、クスリと笑う声がした。 恐る恐る開けた目に、平然と本を手にした壮一郎さんが写る。
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