彼氏の兄

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「昼休みの図書室ってとってもポカポカして温かいんだよ?啓太くん、行ったことあるかなあって思って。」 「なんだ、そんなことが言いたかったの?」 「う、うん。」 私は心苦しくおもいながら頷いた。 「昼寝にはいいよなあ、あそこも。でも、昼休みは殆どバスケしたり外でみんなとしゃべりこんでるからなあ。いまだ行ったことないんだけど。」 「あ、ううん、別に、ちょっと聞きたかっただけだから。」 アハハ、と笑うしかない。 この時、私は啓太くんに言うべきだったんだ…。 壮一郎さんのいうことなんか、聞かないで…。 そうすれば、心苦しい思いをずっと持ち続けなくてもすんだのに…。
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