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本を読んでいてふと横に気配を感じた。
顔をあげて、椅子から落ちかけるほど驚く。
隣りの席に壮一郎さんが座ってる。
私の方をじっと見て。
「壮一郎さん、いつからそこにいたんですか!?」
図書室だというのに、思わず大きな声が出た。
それほど驚いたのだ。
「ほんの5分ほど前から。」
壮一郎さんは、机の上に頬杖をついたまま、あっさり言った。
信じられない。
「5分もなにしてたんですか?」
壮一郎さんの前には本もない。
読書していたわけでもなさそうだった。
「蝶子の顔を見てた。」
「5分も?」
「いつ気がつくかと思ってたんだが、蝶子は中々鈍い。」
「だって…………っていうか、普通声かけますよ?」
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