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案の定、少し早めに着いた。
体育館で席に座る。
私は同じ中学の友達と少し話をしてから、入学式を受けた。
周りにいる子はみんな仲が良さそうで、私は少し焦った。
同じクラスに仲のいい子がいなかったから‥‥
私は1Aクラスになった。
3階までのぼってすぐの教室だ。
教室へ移動するなか、私は一人の女の子に声をかけられた。
「ねぇ、あなたどこ中?」
――えっ!?ぅ、ぅち??
いきなりで少し焦ったけど、すごく嬉しかった。
「ぅちは桜中だよ。あなたは?」
桜中学校。私と同じ名前の学校で、割と好きだったな‥‥
「私?私は光ヶ丘だよ。あっ、名前言ってなかったね。私、"まり"って言うんだ。まりって呼んで??」
そう言ってにこっと笑ったまりの笑顔はすごくかわいかった。
「まりね。ぅちは"さくら"。よろしくね??まり」
「さくらちゃん?さくらって呼んでいい?私、A組に同中の子いなくてさぁ、めちゃ不安だったんだ。仲良くしてね、さくら」
まりはすごくかわいかった。
それに比べて私は‥‥
私は正直、自分の容姿に自信がない。
ちっちゃい一重の目。まつげも短い。
けっこぉ太ってると思うし‥
顔も体も下の下っとこ。
まりがすごくうらやましかった。
ぱっちり二重の瞳。
すらりとした体。
男の子はまりみたいな子がいいんだろうな‥‥
私はまりと話しながら教室へ向かった。
私の席は窓際の前から2番目。
まりの席は真ん中の前から4番目。
けっこう遠いな‥‥
席に座ろうとしたら隣の子に話しかけられた。
「私、高子莉子(たかこりこ)。よろしくね」
「あ‥ぅち、古田さくら。よろしくね、高子さん」
「莉子でいいよ。私もさくらでいい?」
「もちろんだよ。よろしくね、莉子」
莉子も笑顔がすごくかわいかった。
肩よりちょっと長めのウェーブのかかった黒髪。
真っ白な肌。
みんなかわいくない?
周りを見てもかわいい子がたくさん。
この席でやっていけるかなぁ‥‥
さっそく不安になる私だった。
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