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その日の帰り道。
私は莉子と絢歌と一緒に帰った。
私の家から学校まで50分もかかる。しかも学校の前はすごい坂道になってて"商業坂"って呼ばれてる。
私の通う学校は"雫(しずく)商業高校"。商業の専門学校なんだぁ。
――ほんとは香南(かなん)高校がよかったんだけどね‥‥
香南高校とは私の第一志望の高校。
進学校でけっこぉレベル高いんだぁ‥‥
私の中学の友達のほとんどが香南高校に行ったんだけどね‥‥
「―‥ら?さくら?聞いてる?」
莉子が不思議そうに私の顔を覗き込む。
「えっあ‥ごめん、聞いてなかった‥なに?」
「もうっっ!!さくらってカレシいないの?」
突然の質問に私は一瞬黙り込む。
「えっっ!?い、いないよ!!莉子たちは?」
「最近はないんだよね」
「ね‥でも私C組の子狙ってんだよね」
最近はって‥‥
そりゃ二人ともかわいいからもてそうだけど‥‥
「C組?もしかしてあのリョウ似の子?」
「そう。けっこぉよくない?」
狙うとか‥‥
さすがって感じ。
かわいい子の言うことは違うね‥
私には絶対言えない言葉。
ちょっとうらやましいかも‥‥
「リョウってあの芸人の?」
「そうだよ。似てる子いたじゃん?見たことない?」
リョウとは今人気のお笑い芸人。んでけっこぉイケメン。
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