[1]現実と非現実の境界線

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―――――…… 「じゃ、バイバイ」 「うん、バイバイ。また明日」 夕刻。 結局、あれから私と結衣は公園でひたすらお喋りをしていた。どうでもいい話しやらなんやらで、気付けは今の時間になっていた。 そして現在。背景には黒く、大きな雨雲が一面に広がっている空がある。 そんなに遅い時間じゃない。この季節は日が沈むのもそんなに遅くないはずだ。なのに辺りは暗く、沈んだ空気を醸し出している。 「明日……天気予報は晴れって言ってたよね?」 さよならの挨拶の後に交わされる会話。いつもならばツッコミを入れようとしている。でもその疑問は実は私も思っていた事である訳で。 「うん……あ、夜のうちに降って朝には上がるんじゃない?」 普通に会話を繋げてしまった。 最近の天気予報はハズレる事だって結局あるし、所詮ハズレたところでそれ程気にはならない。 けど、何故だろう……。 何か、何かが違う気がする。 どこか引っかかるような、嫌な感じが……。 「まぁ……そうか。朝は大丈夫だよね。じゃ、明日も同じ時間に同じ場所で!」 「うん。じゃ、今度こそバイバイ」 「バイバーイ!」 でも、そのモヤモヤが解決する前に私と結衣はお互い違う方向へと向かって歩き始めた。 今思えば、この時には私の“中”は既に、気づいていたのかもしれない。 これから始まる苦悩を、そして結衣とは逆の道を歩む事を……。
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