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一人でいると、たまに思う。
自分中心に世界が回っている訳ではないって言うけれど、実は世界は自分を中心にできていて、一人一人違う理想の、自分に合った世界の中で生きているのではないのか、と。
一人一人が違う思いの世界で生きていて、だけどそれを完全には再現しきる事ができず、気づかぬうちに願っている通りの幸せと、恐れている通りの苦痛が共存している。
そして、矛盾している。
世界は、崩れている。
矛盾矛盾矛盾。
……何故?
「な、に……これ……」
こんな世界、私は知らない。
……現実って、何?
『グチャ……』
刺さる刃は、胸を貫いている。
だが、滴る雫は、ない。
道端には、倒れている老人と少年。
そこには、赤い水溜まり。
砕けたコンクリート、地面は割れている。
辺りは、崩壊していた。
人も、家も、見る物がいつもと変わっていた。
「……いや」
堂々と『バケモノ』の上に足を掛け、手には槍のような、鋭利な何かを持っている、男。
その男がもつ何かが、『バケモノ』の胸を貫いている。
『バケモノ』から血は、出ていない。
「……いやあぁぁぁぁ!!」
私は初めて『バケモノ』を見た。
そして、初めて遭遇した。
『バケモノ』に、その『バケモノ』との戦闘の現場に……。
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