[1]現実と非現実の境界線

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「いや、制服は……たしかにダメな理由になんないかもしんないけど、でも今は無理でしょ。私だってプール行きたいけどさ……」 結衣をなだめるように、慎重に言葉を繋げていく。ここで変な事を言ってしまえば結衣が反発してくるだけだ。 ここは慎重に……。 そんな、次に繋げる言葉を考えながら話す私に向かって何やらいやらしい目を向ける結衣。 口元がにやけてるぞ。また何か冗談を言い出すつもりなのか。 「ははーん。そのルックスでは男に見てもらえな… 「黙れ」 結衣が言い終える前に私は言葉を挟んだ。 予想していた通り今回もまた冗談が飛んできたが、今回の冗談にはあまりにも私を反応させる単語が含まれていたので、スルーする気もなく、即黙らせてやった。 そんな私の反応を見た結衣は笑いを堪えるのが必死なようだ。腹を抱えて、クスクス言っているのが聞こえる。 こんちきしょう……。 「だーかーら、ゴメンってば!」 「もーいいですよぉー。結衣さんのマイフレAは拗ねちゃいましたもんねーだ」 ひとまず今私が言える事といえば、あれから私と結衣は近くにあったデパートのフードコートに移動したという事、そして私と結衣の形成が逆転したという事の二つ。 今度は拗ねた私を結衣がなだめている。といっても結衣の表情は未だ笑顔のままで、ちゃんと謝る気はなさそうだけど。 まぁ、私も拗ねたフリをしているだけなので、お互いに冗談を言い合っているだけなのだとはちゃんとわかっている。
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