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「ん…」
気が付くと、再び同じベッドの上に、寝かされていた。
「起きたか?」
男の人が、覗き込んでいる。
知らない人だった。
鋭い目つき、浅黒い肌。短髪にバンダナが巻かれていて、何か鳥の羽根が刺さっていた。
その人は、私の額に手をやると、安心したように言った。
「熱も下がったし、もう大丈夫そうだな。」
そういえば、寒気と頭痛が嘘のように消えている。
「あの…」
「あんた、無理すんなよ。あんたが寝てた海は、夜になると急激に冷えるんだ。」
「今が春とはいえ…風邪ひいて当然だ。」
その時私は、自分がまだ裸な事に気付いた。
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