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私はカッとなった。
「打ってませんっ!!」
「なんで…なんで信じてくれないんですかっ!?魏とか蜀とか呉とか、全然知りません!家のお風呂場で…気付いたらここに居たんですっ!!」
沈黙が流れた。
私はバツの悪さに、顔を上げれなかった。
その人は難しい顔して、何やら考えているようだった。
私はその人を、ちらっと盗み見た。
男らしい男の人だった。年は、私より少し上位だろうか?髪は短くそろえられており、先にも言った通り、刺さっている白い羽根が目についた。上半身は裸で、とても胸板が厚く、鍛え上げられていそうな筋肉が、隆々としていた。
私なんて、軽々と持ち上げられるだろうな…そういえば、さっき倒れた時、ここまで運んでくれたのは、この人だろうか?
私は、彼の腕の中にいる自分を想像しながら、少しドキドキした。
そして、一番目をひくのは、前を向いてても分かる、鮮やかな刺青だった。おそらく腕、背中全体に描かれているであろうその刺青は、日焼けをしている裸によく映えていた。
ふとその人が私を見た。鋭い眼力に吸い込まれそうになる。
私はドキドキしながら下を向いた。
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