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私は、先ほどの女性に手伝ってもらって服を着た。
そして、化粧もしてもらう。
「なんか…すみません。」
「貴方様は、甘寧様のお客様ですから。気になさらないで下さいませ。それにしても、とても化粧映えのするお顔で…こちらといたしましても、腕がなりますわ。」
女性は笑いながら言った。
私は、ハーフだった。
昔から、茶色でクルクルの髪も、彫りの深い顔も、色白の肌も嫌だった。
小、中学生の頃は、それでよくいじめられた。
英語が喋れないのに、よく外国人の人から話し掛けられて困った。
そんなコンプレックスの塊を、誠は愛してくれた。
誠…今、何してるかな…
会いたい…
「終わりました。」
女性の声に、私は我に返って鏡を見た。
「あの…キツ過ぎませんか?」
普段、ナチュラルメイクしかした事のない私は、鏡の中の自分に驚いた。
「そんな事ありません。とても美しいですわ。」
女性はにっこり笑う。
「さ、甘寧様が待っておられます。こちらにどうぞ。」
「はぁ…」
私は女性の後について、部屋を後にした。
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