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「甘寧様、お待たせいたしました。」
女性の声に、机の上に足をなげだし、外を見ていた甘寧がふり向く。
その顔がポカンとするのを見て、私は真っ赤になりながら下を向いた。
やっぱり…変だよ…
恥ずかしい。
「こりゃぁ…またずいぶんバケたな。」
「甘寧様!失礼ですよ。」
「あ、わりぃ、わりぃ。」
甘寧は立ち上がると、私の顔を覗き込んで言った。
「そういえば、名前聞いてなかったよな。あんた、なんてんだ?」
「あ…。‘るい’です。水川泪。」
ドキドキしながら私は答える。
「…いい名だな。」
甘寧はポツリと呟くと、ついて来いというように、歩きだした。
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