2088人が本棚に入れています
本棚に追加
毎日のいじめと、目立ちたくないという気持ちから、私は下を向く癖がついた。
誠はその癖を、可愛いと言ってくれた。
守ってあげたくなる。
俺がいなきゃ、という気持ちになる。と…
実際、誠は私を色々支えてくれた。
「そんな…言われた事無いです。」
「そうかぁ？俺が言うんだから間違いないぜ？あんた、美人だ。」
「っ！…からかわないでください。」
私は真っ赤になって、また下を向いた。
「ほら！言っただろ。顔あげろ。」
甘寧は、私の顔を両手ではさむと、ぐいっと上を向けた。
おのずと、視線が合ってしまう。
「俺が信じらんねぇのか？」
「いえ…」
「んじゃあ信じろ。前見て胸張れ。」
「はい。」
「よっしゃ。」
甘寧がにかっと笑う。
その笑顔を見て、私は思った。
変わりたい…。
甘寧のいう事は、信じられる。
自分の事が嫌いな自分と、別れたい。
努力しよう。
私はその時誓った。
最初のコメントを投稿しよう！