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それからの四年間は、あっという間だった。
甘えん坊の私。
落ち込みやすい私。
コンプレックスの塊の私。
その全てを、誠は受けとめてくれた。
私は自分が好かれてる、という事に自信があった。
私が、会いたいと言えば、どこにいてもとんで来てくれたし、ワガママを言っても、笑って許してくれた。
何より、誠から告白した、という事実に、私はつねに誠の上にいる感覚でいた。
気分が良かった。
そしてそれにより、誠を苦しめている事に気付けなかった。
私はその時、どうして振られたのか、全然分からなかった。
私達は、
桜の季節に始まり、
桜の季節に終わった。
なんで?
どうして?
辛いよ…
苦しいよ…
“ピチョン‥”
冷たい‥
何かが額に当たる‥
“ピチョン‥ピチョン‥”
冷たいよ‥
冷たい‥??
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