28人が本棚に入れています
本棚に追加
結局のところ、隼斗が思う今回のこの犯罪についての結論はこうだった。
近年増加している悪質な犯罪の数々。
それらは全て、機械に頼り、本来人間が本当に求めているものを現代の人間達が忘れてしまったが為に起きてしまった事。
犯罪を犯してしまった人が悪いのではなく、人として本当に求めていたものを忘れてしまった、今の時代の考え方が悪い。
今の現代人に本当に必要なものは、より便利な機械ではなく、人間一人一人のココロのケアなのではないだろうか。
大多数の人間が異論を唱えるだろうと予想できるこの考えこそ、隼斗の思う今回の事件の、否、現代の犯罪についての意見。
犯罪を犯した“本人”に間違いがある、という世間。
犯罪を犯させた“人間”に間違いがある、という隼斗。
人として、考える事がそれぞれ違うのは当たり前だという事は、誰でもわかる。
隼斗も、全員が自分の思う意見に賛成してくれるとは思っていない。
むしろ、反対意見の方が賛成意見よりも大いに数を上回るであろう事はわかっている。
だが、だからこそ、隼斗には“警察として犯罪を減らすのではなく、心療系の職に就き、犯罪を減らしてみせる”という夢があり、世の中を変えてやる、という心意気がある。
悪化傾向にある、現代社会。
それはいつか、誰かが止めなくてはならない。
俺が世の中を変えてやる。
いつか、絶対に……。
テレビから流れていた、事件の最新情報についての報道が終わった。
最初のコメントを投稿しよう!