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人間の住む世界から離れたこの場所。
見渡す限り、ひたすら黒。
黒い玉座、黒い装飾、黒い壁、黒い床。
そして、黒い“生き物”。
そんな黒の世界で今、歴史を左右する大きな企てが静かに、だが迅速に、そして確実に、進められていた。
床から、光があふれる。
天井に、影が映る。
体が、光の中へと沈んでゆく。
「……その座(くら)は俺が頂く」
黒い玉座を睨みながら一言だけ。
響いた声は、その黒い玉座に座す者に笑みをもたらした。
そして、黒い“悪魔”は人間の世界へと飛びたった。
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