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頭痛がする。
立てば、立ちくらみもする。
瞳を開いてすぐの時は、吐き気までした。
翌日の早朝、午前5時。
隼人は目を覚まし、現在はベッドに腰掛けていた。
「…………」
そして、隼人は思考していた。
昨夜、急に襲ってきた今以上に酷かったあの頭痛について。
何かが引っかかる。
考えれば考える程、引っかかっている何かが頭の中をよぎってはそのまま過ぎていってしまうのだが、確かに何かがあった記憶が今は頭の中にある。
昨日はなかった記憶、過ぎていくそれが具体的に何なのかが浮かんでこないのだ。
「……やっぱダメだ」
閉じていた目を開き、未だ引かない微かな頭痛に負けて、隼人はベッドへ向かって体を後ろに倒した。
隼人の記憶だと、昨日は12時前には眠ってしまった覚えがある。
現在の時刻は5時を過ぎたところだが、隼人が目を覚ました時には時計の短針はまだ5を過ぎていなかった。
つまり、睡眠は5時間もとれていない事になる。
普段8時間近く睡眠をとる隼人には全然足りない。
時間が時間だ。
本来の隼人ならばもう一度寝るところだろう。
だが今はそれもできそうにない。
意識が嫌というほどハッキリしてしまっている。
しょうがなく瞳を閉じ、もう一度思考する。
すると、丁度朝日が窓からさし込み、隼人の部屋を照らした。
閉じた瞳の上から当たる日光に刺激され、隼人は再び目を開く。
朝日に触れた、昨日あのまま枕元に置いたままだった携帯が隼人の目に入った。
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