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そんな高レベルの学校の中で一日の大半を過ごす隼斗は、日に日にストレスを溜めていた。
成り行きで入ってしまったが為に、周りの生徒達ように、とにかく勉強を頑張る、という意欲はほとんどない。
そして、それ故によく他の生徒や先生と思考が衝突してしまう。
そして隼斗にとって、今この学校内には、友達、と呼べる存在は誰一人としていない。
ある程度の会話を交わす程度のクラスメイトはいる。
だが隼斗はそれを“ただのクラスメイト”としてしか見ていない。
会話は勉強についての話題ばかり。
周りは完全に勉強に思考がいっている。
この環境、自分には合わなさすぎる。
わかってはいるが、自分にはどうする事もできない。
つい最近できた制度により、私立校、公立校問わず、高校に受験するかしないかを自己で判断し、通うのまでは自由だが、一度入学してしまえば、どんな事があろうとも退学する事ができなくなってしまったのだ。
受験前、これといって特別な勉強をしてきた訳ではない。
塾にも行っていなかった。
完全な独学で実力をつけてきた。
公立受験の日時よりも前にあった私立受験で、滑り止めの学校には受かっていた。
どうせ無理なチャレンジをするんだ、不合格になって終わるだろう、と自分も、そして周りも思っていた。
だから、始めは本当に不思議でたまらなかった。
何でこの学校に受かってしまったんだろう……。
と。
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