不器用な僕らは

「で、何？」

「いや特には」

「…じゃー呼ぶなよ」

コントローラーを床に置いて振り返りざまに尋ね、明瞭な答えを得られなかったことに僅かに眉根を寄せた。

こういうの、はっきりしないのは好きじゃない。

でも

(居ないと落ち着かない…？)

事ある毎にこんな認め難い思いが頭を過ぎるんだから、最近のオレときたら自分で自分にイラついてる。

(何で浜田)

(よりによって)

(有り得ねー)

またテレビの方に向き直って黙りこくって悶々と考えていると、そうだ、何か飲むか？今日なんか寒いしココア入れようか、なんて浜田が言う。

いる、と答えて取り敢えずこの場を離れさせた。

(…有り得ねぇ)