不器用な僕らは

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明日は珍しくも練習が午後からな訳で、オレはこいつの家でちょっとばかし夜更かしをしていた。 部屋の時計の長針はもうすぐ12に掛かろうとしている。 「泉、」 ゲーム機に一つだけ繋いであるコントローラーのボタンをひたすらカチカチ弾いているオレの後ろから、恐らくベッド辺りに凭れているのだろう浜田の声がする。 「いずみー、…くぁ‥…」 大きな欠伸。 (…疲れてるなら寝ればいいのに) オレが野球の練習に費やしているのと同じくらい、こいつはバイトで自分を酷使してる。 注意しない先生の時間を見計らって授業中も寝てるくらい、疲れてるのに。 (付き合って起きてんなよな)
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