Vol.02

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(煌) 「理己ちゃーん」 バカ瞬め… 毎日毎日飽きもせずによくやるな…。 逃げる大貫を瞬が追い駆け回す光景も、いい加減見慣れてきた。 そして、そんな瞬を面白そうに見ている綾瀬の後ろ姿にも…。 「お前等が転校してきて、もう一ヶ月か。早いもんだな」 眺めていた俺の視界を遮るように現れたのは宮田達だった。 宮田と加藤と山下。 転校初日から瞬と仲が良くなり、よくつるんでいる三人だ。 何故か俺にもよく話し掛けてくる。 「瞬なんか、もうずっと昔からああやってる気がするよな」 「全然違和感ねーもんな。ていうか、あんなにあからさまにアピールする男、初めて見た」 「俺も」 教室中を駆け回る瞬を、呆れたように眺めながら三人は頷いていた。 「でも、双子なのに煌は違うんだな」 「何が?」 「女の子へのアピールの仕方」 は?俺があんな恥ずかしいマネ出来るわけないだろ。 双子だからって一緒にするな。
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