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「理己ちゅわ~ん」
「いい加減にしてよ!本当に怒るわよ?」
瞬がしつこいのも分かるが、大貫も俺を盾にするのはやめてくれ。
俺の願いとは裏腹に、二人は一向にやめる気配は見せなかった。
俺は綾瀬が好きなんだ。
騒がしい二人の向こう側の綾瀬を見ると、面白そうにクスクスと控え目に笑っていた。
どうしてあんなに落ち着いた子が瞬みたいなバカを好きになるんだ?
嫌がられてるにも関わらずに、ヘラヘラして追いかけ回せるその根性は褒めてやるけど…
こんな奴と双子だなんて恥ずかし過ぎる。
「理己りん、今日デートしよっ!」
「突然どうしてそうなるのよ!」
「煌も来るってよ?」
「だったら行く」
「瞬、勝手に決めんな。俺は…」
行かない。
と言おうとした俺の口を瞬が手で押さえた。
「ちょっとこっち来い」
ムカついて睨んだ俺の眼も見ずに、瞬は囁いて俺を廊下まで連れ出した。
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