26人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺を巻き込むな」
教室から少し離れた所で、瞬はようやく手を離した。
「誰が好きでお前なんか誘うか!お前がいねーと理己ちゃんが来てくんねーから仕方なく誘ってやってんだよ!」
「それを巻き込むっていうんだ。とにかく迷惑だ」
どうして学校終わってまでお前と一緒にいないといけないんだ。
「そんな事言っていいのかなぁ?」
スタスタと教室に戻ろうとした俺の背後で、瞬が引き止めるように言った。
「…なんだよ?」
瞬のこの顔は何かを企んでるに違いない。
そして迷惑がかかるのはいつも俺なんだ。
「せっかく綾瀬も誘おうと思ったのに。煌が来ねーんじゃ綾瀬と二人で遊びに行くしかねーなぁ」
確かに俺が行かなければ大貫は行かないかもしれない。
そして瞬に誘われたら綾瀬はきっと着いて行く。
…だから瞬には知られたくなかったんだ。
俺が綾瀬を好きだってことは…
最初のコメントを投稿しよう!