Vol.01

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顔を上げると、宮田の向こうに理己ちゃんが立っていた。 「理己ちゃーん。会いたかったよー」 宮田を突き飛ばして理己ちゃんを抱きしめる。 うんうん、この感触だよ。 小さくて柔らかくって、理己ちゃん最高! 「は・な・し・な・さ・い。この変態」 幸せ絶頂の俺を、理己ちゃんが容赦なく突き放す。 変態って、ひどいよ理己ちゃん。 でも、そんなんでめげる瞬くんじゃございません。 「理己ちゃんをギュッて出来るなら変態でもいいよーん」 もう一度抱きしめようとしたら、理己ちゃんは素早く宮田を身代わりに突き出した。 「お前、俺が好きなのか?」 「んな訳あるか!」 勢いが止まらなくて抱きしめてしまった俺に、宮田が照れたように言った。 「確かに瞬はカッコイイし気持ちは嬉しいんだけど、俺彼女いるからなぁ。もう少し考えさせてくれ」 考える余地なんてねーだろ。 ていうか、俺が理己ちゃん好きなの良く知ってるだろ。
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