決断

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まぁ、二人とはこまめに連絡は取り合っている。 なんとか上手くやっているらしい。 今日は、特に何もすることもなく家でゴロゴロしていた。 【Select】開始まで残り5日。 しかし、まったくそれを感じさせないぐらい世の中は静かだった。 だが、【Select】の内容が公開されてから、確実に自殺者の数、犯罪の数は増えていた。 実際、国も警察もどれくらい人が死んでいるのか把握出来ていなかった。 時刻は正午過ぎ、俺はソファーに腰掛け、レンタルビデオショップで借りてきたDVDを見ていた。 借りてきたというより、店には誰にも居なかったので、拝借してきたという表現の方が正しかった。 「ねぇ、ビデオなんか見てないで少しくらい話でもしない?母さん、あと一時間もしたら行っちゃうんだけど…」 母さんが俺とテレビの間に立ち塞がる。 実は、今日の午後1時に政府の人間が、【select】に参加しない美鈴を施設に連れて行く為、家まで来ることになっていた。 「ちょっと、見えねーって」 「もうっ!!」 母さんは諦めたのか、台所の方へ行ってしまった。 こんなこと間違っているのは分かっていた。 分かっているけど、何を話せばいいのか全くわからなかった。 さっきから、映画の内容が全く頭に入ってこない。
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