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ガシャンッ
拓斗は何かが割れる音で、我に返った
将人のすぐ足元に、割れたコップの残骸が、散らばっていた
「危ないなー。気を付けろよ」
俺は将人の顔を見ながら話すが、将人は上の空といった感じでテレビをずっと見据えていた
ガタンッ
今度は、奈津が椅子から崩れ落ちるように、地べたに座りこんだ
「嘘でしょ…」
奈津は、小さな声でそう呟いた
「うぇるかむ食堂」のおばちゃんも、夢も何かしらショックを受けている様子で、状況を飲み込めていないのは、俺一人だけだった
「おいっ、何があったんだよ」
俺は将人の肩を揺すぶる
「えっ…、今の聞いてなかったんですか!?」
将人がこんなに興奮気味で話すのは久しぶりだったので、嫌な予感がした
興奮気味の将人を宥めながら、話を聞くのに時間は掛かったが、なんとか聞き出すことができた
俺の嫌な予感は、見事に的中してしまった…
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