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「select?選別?…、ふざけんな、俺等を何だと思ってるんだ!!」
俺は近くにある椅子を思いっきり蹴っ飛ばした。
ガンッー
椅子は壁にぶつかり豪快に音が響く
しかし、誰一人として拓斗の行動を咎めるものはおらず、皆頭を抱え込みうなだれていた。
「私、帰る…。妹が心配だし」
奈津には、歳の離れた10歳になる小学生の妹がいた
「待てよ、奈津!!お前、参加するのか?」
俺は奈津の腕を掴み引き止める
「そんなの、わかんないよ」
奈津はそういうと、鞄を持って食堂から出て行ってしまった。
いつも、強気で明るい奈津の瞳には涙が溜まっていた。
俺は、蹴っ飛ばした椅子を元に戻しそこに腰掛けた。
「僕も帰ります…」
将人も帰っていき、食堂には拓斗と夢とおばさんの三人だけになった。
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