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暫く、俺は椅子に腰掛けながら呆然としていたが、店を閉めると言われたので、渋々出ていくことにした。
「なんか大変なことになっちゃったね」
夢は俺の後ろを付いてくる
「あぁ…、まだ信じられねぇよ。Selectって何だよ。生き残る為とか言ってるけど、ただの殺しあいじゃねぇか」
俺は、近くに落ちていた缶を蹴り飛ばす。
カンッ‐
缶はコンクリートに叩き付けられ、周りに音が響く。
「ねぇ、拓斗」
普段、ちゃん付けで拓斗を呼ぶ夢が、急に呼び捨てになる
「どうした?」
夢が呼び捨てにする時は、昔から真面目な話をする時だけだったので、普段は聞き流していた拓斗も、ちゃんと聞き返した。
少し間が空き、夢は口を開く
「参加しよう」
「それ本気で言ってるのか?」
俺は間髪入れず、夢はに聞き返した。
争い事になると必ず嫌な顔をするのは、決まって夢はだったので、夢の口から【参加】という言葉が出るのが意外だった。
「うん」
「死ぬかもしれないんだぞ」
「それは参加しなくても同じだよ」
「それは…」
夢は普段は抜けてるのに、こういう時に限って、的を獲たことを言ってくる。
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