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俺は何も言い返せずにいた。
確かに、母さんが相当苦労して俺を育てていたのは、近くで見ていたので一番良く分かっているはずだった。
それなのに、拓斗は自暴自棄に陥り、簡単に死ぬなど言ってしまい、美鈴が切れるのも当たり前だった。
「もう、母さん疲れたから寝るよ。あんたもご飯食べて、少し頭を冷やしなさい…」
母さんはそう言うと、寝室にはいって行ってしまった。
背中越しでも、哀しみの表情が拓斗には伝わってきた。
結局、拓斗もご飯は食べず、モヤモヤとした感情が渦巻いたまま、眠りにつくのであった。
時計は、午前0時を周り、長針は五分を指していた。
タイムリミットは、刻一刻と迫っている。
【Select】
開始まで、残り9日。
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