決断

2/12
890人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「おはよう」 昨日は、色々考えて結局眠ることが出来なかった。 俺は、部屋から出てきて椅子に腰掛け新聞を読み始める。 新聞の内容は、Selectについてが殆どで、他は、殺人、強盗、強姦などの犯罪の記事が占めていた。 「おはよう」 母さんは、昨日何事もなかったかのように、ケロッとしていた。 「朝ごはん食べるでしょ?」 部屋には、味噌の匂いと焼き魚の匂いが漂っていて、俺の食欲をそそるには充分であった。 「食べるよ」 記事に一通り目を通したので、新聞を畳み邪魔にならないように、机の端の方に置く。 机の上には、料理が並べられ、母さんは俺の向かいの方に座った。 「いただきます」 暫く、箸の音と味噌汁を啜る音が部屋に響く。 「拓斗…」 「ん?」 名前を呼ばれたので、俺は箸を止め母さんの方を見る。 「昨日はひっぱたいたりしてごめんね」 母さんは、俺に頭を下げる。 「いや、俺の方こそ何も考えないで、あんなこと言って馬鹿だったよ。ごめん」 まだ、ひっぱたかれた所はヒリヒリしていた。 もしかしたら、赤くなって後がついているかもしれない。 「それに、あれから色々考えたんだ…」 俺は、自分が決意したことを話始める。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!