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「おはよう」
昨日は、色々考えて結局眠ることが出来なかった。
俺は、部屋から出てきて椅子に腰掛け新聞を読み始める。
新聞の内容は、Selectについてが殆どで、他は、殺人、強盗、強姦などの犯罪の記事が占めていた。
「おはよう」
母さんは、昨日何事もなかったかのように、ケロッとしていた。
「朝ごはん食べるでしょ?」
部屋には、味噌の匂いと焼き魚の匂いが漂っていて、俺の食欲をそそるには充分であった。
「食べるよ」
記事に一通り目を通したので、新聞を畳み邪魔にならないように、机の端の方に置く。
机の上には、料理が並べられ、母さんは俺の向かいの方に座った。
「いただきます」
暫く、箸の音と味噌汁を啜る音が部屋に響く。
「拓斗…」
「ん?」
名前を呼ばれたので、俺は箸を止め母さんの方を見る。
「昨日はひっぱたいたりしてごめんね」
母さんは、俺に頭を下げる。
「いや、俺の方こそ何も考えないで、あんなこと言って馬鹿だったよ。ごめん」
まだ、ひっぱたかれた所はヒリヒリしていた。
もしかしたら、赤くなって後がついているかもしれない。
「それに、あれから色々考えたんだ…」
俺は、自分が決意したことを話始める。
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