決断

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「あぁ~、何か俺だっせぇな…泣いたりしてよ」 パンッ、パンッ! 俺は、両頬を軽く叩いて気合いをいれる。 「よしっ!辛気臭くなってきたし、飲みに行くぞ!!」 「えっ…。拓斗君って飲めないんじゃ?」 「うるせぇ、空気読めよ。行くぞ」 俺は、強引に三人を引き連れ、まだ営業している居酒屋で朝まで飲み明かした。 案の定、翌日は二日酔いで最悪の目覚めだった。 俺以外の三人は、ケロッとしていた。 それから二日間は、「Select」への参加手続きや、健康診断などで忙しかった。 それ以外は、普段と変わらなかった。 ただ一つを除いては… それは、奈津と将人のことだった。 もう、あの二人はこの町には居ない。 みんなで飲んだあの日の翌日、この町から出て行ったのだった。 この町から、遠く離れた町へ行ってしまったのだった。 これは、急なことでビックリしたが、奈津の妹の亜希ちゃんのたっての希望だったので仕方がなかった。 その町というのは、奈津の両親が生きていた頃住んでいた町だったのである。
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