微妙な気持ち

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結婚…アイツが結婚ねぇ…。 高校の時に知り合って以来今も交流を続けているアイツ。 初対面の頃から俺よりも男っぽくて異性として見た事もなかったっけ…。 階段を上がり部屋に向かう俺は物思いに耽ってしまった。 「あっ、おい隆太、ドコ行くんだよ?部屋ココだぞ?」 どうやら部屋を通り過ぎていたようで慌てて振り返った。 「わりぃ、わりぃ…」 俺は苦笑いを浮かべた。 どれだけ気になっていてもいざ部屋に入るとカラオケに専念してしまい、物思いに耽っていた事もコロッと忘れてしまった。 そんなカラオケも1時間程経った頃… 「おっ?あっ、うん…ちょっと待て…」 英則が電話に出るとそのまま部屋を出てしまった。 「束縛の厳しい恋人だと大変だねぇ…」 そう呟くと俺は歌を再開した。 俺の恋人はそうゆうのなくて良かった…と英則を見ているとつくづく思う。 さて…歌も佳境に入り最後の大サビ。気合いを入れて…… 歌い出そうと大きく息を吸った直後だった。 「オーッス!!」 思いもがけなかったアイツの声にビックリした俺は見事に声を裏返した。 「あっははは!今の声最高!」 ソイツは俺を指差して笑ったのだった。
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