一路海へ

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「ねぇ、海に行こうよ、あたし運転してくからさ」 英則の車に乗り込むや否や詩穂がそう言った。 「はぁ!?まぁ…もう確かに6月だけどよ~さすがに急過ぎねぇか?」 「イイんじゃねぇの?俺海なんて何年行ってないか…」 俺は珍しく素直に詩穂の提案に乗った。 まっ、独身のウチにせいぜい思い出を作っといてやろうという俺の優しさだ。 「おっ、隆太は乗ってきたな!美咲は?どう?海」 「私は別に構わないよ~行くなら行くで」 「まっ、しゃあねぇ…付き合ってやるか」 英則がそう言って車のエンジンをかけた。 「なら1回ウチに帰ってイイだろ?詩穂の車で行くんならさ」 「あぁ、そうねぇ…1台で行った方が楽だもんね」 「行く途中で花火でも買って行って海でやらないか?」 パッと詩穂の顔が輝いた。 「イイね!花火!!やろう、やろう!」 「まっ、何はともあれまずはオレんちだな!さっ、行こうぜ」 「りょーかぁい!」 俺達は声を揃えてそう言った。
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