一路海へ

3/6
前へ
/21ページ
次へ
「ん~…着いたぁ~!」 車を降りて詩穂が大きく伸びた。 「運転お疲れ様」 美咲さんがポンと詩穂の肩を叩く。 波の打ち寄せる音が広く聞こえて磯の匂いが一気に迫ってくる。 「う~ん…海だねぇ」 自分でも思い掛けない程の頭の悪いコメントだ。 「おい?花火買ったのにもう明るいぜ?」 英則が花火を持ち上げながら言った。 「また今度やればイイじゃない!下に下りてみようよ」 詩穂が駆け出した。 全く子供みたいにはしゃいで…。あれで本当に結婚しても大丈夫なのかねぇ…? 「お~い、隆太ぁ!行くぞ~」 「あっ、おう」 何だか今日は物思いに耽る事が多いな…。 そんなに詩穂の結婚がショックなのか? まさか、な…アホくさい。んなわけないのに… 俺は苦笑いを浮かべながら英則の後を追った。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加