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「ん~…着いたぁ~!」
車を降りて詩穂が大きく伸びた。
「運転お疲れ様」
美咲さんがポンと詩穂の肩を叩く。
波の打ち寄せる音が広く聞こえて磯の匂いが一気に迫ってくる。
「う~ん…海だねぇ」
自分でも思い掛けない程の頭の悪いコメントだ。
「おい?花火買ったのにもう明るいぜ?」
英則が花火を持ち上げながら言った。
「また今度やればイイじゃない!下に下りてみようよ」
詩穂が駆け出した。
全く子供みたいにはしゃいで…。あれで本当に結婚しても大丈夫なのかねぇ…?
「お~い、隆太ぁ!行くぞ~」
「あっ、おう」
何だか今日は物思いに耽る事が多いな…。
そんなに詩穂の結婚がショックなのか?
まさか、な…アホくさい。んなわけないのに…
俺は苦笑いを浮かべながら英則の後を追った。
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