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森へ入ってから随分と時間が経過していた。
空を見上げれば、陽は既に傾き掛けもう少しすれば夜が訪れようとしていた。
シアリスは言い様の無い不安に襲われながらも、森への出口をひたすら目指した。
薬草が入っているであろう籠には血が付いている短剣だけで、肝心の薬草は入ってはいなかった。
シアリスは時折、背後を振り返りながら更に歩く足を早めた。
夜になれば、より凶暴な獣たちが徘徊し、そうなればシアリスはそれらの餌に間違いなくなってしまうからだった。
と、急に脇のほうから物凄い勢いで何かが飛び出してきた。
これには流石のシアリスも驚いてしまい、元々足場も悪かった所為もあり、その場で転倒してしまった。
更に運悪く打ち所が良くなかったのか、シアリスはそのまま意識を失ってしまった―………。
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