130人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
王と呼ばれた男は、笑われたせいか益々機嫌を悪くさせていった。
「我は貴様に構っている暇など―――」
「ふふ……、王よ、本当にそう仰られますの?」
またも意味ありげに笑い、その翠の瞳を細めた。
「何が言いたい………リュシオ」
紫紺の瞳に、殺気を含ませ、低く問い掛けた。
「さぁ……何でしたかしら?私―――」
リュシオは、そう言葉を発したがそれは最後まで続きはしなかった。
王と呼ばれた男が、いつの間にか銀色に光刃の切先がリュシオと呼ばれた女性の喉元へと突き付けていたからだ。
最初のコメントを投稿しよう!