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「……っ、いいんですの?あなたがこれ以上――」
「それがどうした?、我は貴様などどうでもよい………、裏切り者など……」
リュシオは、王と呼ばれた男に怯む事なく言葉を返したが、憎しみに燃える紫紺の瞳に言葉を呑み込んだ。
それと同時に、ほんの少し、突き付けられていた刃の切先が喉元へと食い込んだ。
ちくりとした鋭い痛みにリュシオは秀麗な眉を寄せ、王を睨み据えた。
「わかりましたわ……。理解して頂けず、残念ですわ……ですが、まだ終わりではないですのよ?」
暫く睨み合っていたが、先に折れたのはリュシオだった。
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