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シアリスと呼ばれた少女は軽く頷くと、その膝の裏まで伸ばされた黒髪をなびかせながら、家の中へと戻っていった。
暫くすると、シアリスは緑色の液体が入っている小瓶を、いくつも抱えて戻ってきた。
「どうぞ……、これで最後です」
淡々と語る少女から、全ての小瓶を受け取ると、お礼を言いながら森の方へ歩いて行った。
少女は長老様が見えなくなるまで見送った後、薬草を取りに行くための準備に取り掛かった。
シアリスが向かった場所は、長老様とは反対側にある森で、そこには危険な獣たちがあちこちに潜んでいると噂されていた。
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