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シアリスはそれに備え、短剣を薬草を入れる籠に忍ばせた。
結構歩くので、食べ物と飲み物も忘れずに準備した。
一通り準備が終わると、森へ薬草を採るために家を出た。
外はとても晴れており、思わず目を細めた。
鳥たちは囀り、時折吹く風がさわさわと青草や木の葉を揺らし、優しく頬撫でていった。
シアリスは暫く風を楽しんでいたが、家の裏側へと足を進めると鬱蒼と茂る眼前に広がる緑を眺めた。
―――“魔の森”
その雰囲気か物の怪が出るからか、この森はいつしかそう呼ばれるようになった。
シアリスは深呼吸すると、魔の森へと足を動かした。
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